四軒市場に住みつき、久し振りに余裕ある時間を持った愛(水前寺清子)と歌(山岡久乃)は、一人で淋しそうにしている化粧品屋の一人息子善吉(坂上忍)を家に上げ、夕食をご馳走した。愛は下町風の気安さで、見も知らぬ善吉を食事に呼んだのだが、善吉の母右子(草苗光子)と善吉を捜しまわっていた焼鳥屋の三三九(児玉清)は、愛や歌が無神経過ぎると言って怒った。
一方、八百屋の百子(葦原邦子)は、酒屋の乙美(園佳也子)が自分のより大きな鰹を買い込んだので機嫌が悪かった。その上、息子の元気(石坂浩二)から年寄り扱いされ、頭にきて不貞寝を決め込んだ。
おかげで元気が仕入れに行く事になったが、「魚平」では愛が仕入れに行くと聞き、大張り切り。野菜のふちょうを覚えたり、仕入れに行くスタイルを考えたり、大変な熱の入れよう。ところが翌朝になって、「魚平」の仕入れの役は、その日に限って母親の歌だった……。