哀しみのトリスターナ

哀しみのトリスターナ 1970

7.20

スペイン出身だが国外で映画を作ることが多かった鬼才ブニュエルが1969年、久しぶりにスペインで撮影した、最後のスペイン映画。原作はスペインの文豪B・P・ガルドスによる小説で、かつてスペイン王国の首都として栄えた町トレドを舞台に、人気作「昼顔(1967)」でも組んだドヌーヴとブニュエル監督は、美しくも残酷な愛の寓話に仕立て上げた。当時26歳だったドヌーヴの存在感が光る。共演はマカロニウエスタンの時代から現在まで活躍を続ける、イタリア出身のF・ネロ、スペインの名優、F・レイ。 母親を亡くした少女トリスターナは、トレドの町の裕福な名士で、名付け親でもあるドン・ロペに養子として引き取られる。トリスターナはドン・ロペの寵愛を受けながら美しく育つが、やがて若い画家オラーシオと出会って恋に落ち、町を去る。ドン・ロペは彼女を忘れられないかったが5年後、病気になったトリスターナはトレドに戻り、手術を受けるが右足を失う。だがドン・ロペは義足を付けた彼女をさらに美しいと感じて溺愛し……。

1970